「お口の衛生」「おシモの話」「シニアのうつ病」、専門家による3つのセミナーとディスカッションが行われました。
日本人のハワイへの移民の歴史は長く、先人が残してくれた多くの日本文化が現在のハワイの日常に根付いています。約20万人の在住日本人にとっては海外でありながら日本も感じられる、比較的暮らしやすい環境でしょう。
でも、老後は?病気になったら?誰に相談すれば良いの?難しいことは日本語で説明してほしい。海外に暮らす私たちのそんな不安をサポートしてくれる、情報が循環する場所があったらという想いから、在住日本人の有志が集い、[みんなのケアネットワーク]ができました。
その[みんなのケアネットワーク]主催、なごみフォスターホームズ共催による、第2回日本人のためのシニアフェアが、4月14日(土)、緑豊かなヌウアヌのホノルル妙法寺で開催されました。雨のなか、多くの参加者が会場に集まり、日本人のための理想的な老後について、専門家と一緒に学びました。
前回同様、1部は専門家によるプレゼンテーション、2部は質問とディスカッションの2部構成で、最初に[みんなのケアネットワーク]の紹介と、歯科衛生士の富田杏子さん、ナースプラクティショナーの西村ちえさん、カウンセラーのデボアひとみさんの3人の専門家のお話を伺いました。
体の玄関はいつも清潔に!お口の衛生で健康キープ
歯科衛生士富田杏子さんは、美しい笑顔ときれいな発音で会話を楽しむためや、きちんと咀嚼して食事を美味しく取るために歯が大切であること、歯科衛生についての正しい意識についてお話されました。
また、歯が抜け落ちるのは年齢ではなく普段の手入れであること、歯科医院は問題が起こる前にメンテナンスに行くところであり、痛くなってからでは遅いことなどの点から、予防の大切さを強調されました。日本語で治療が受けられる歯科医の紹介も質問に応じてお答えいただきました。
なかなか相談しにくい!オシモの悩み
聖ルカクリニックのナースプラクティショナー西村ちえさんは、加齢に伴い起こりやすい泌尿器系の悩みの原因を男女の体の違いから詳しくお話されました。膀胱リハビリ、利尿作用があるものを取りすぎない、お酒を飲みすぎない、スパイシーなものを避けるなど問題対策についても具体的に教えていただきました。そしてこのような症状の裏に潜む病気の可能性、各種検査などについてもお話しされました。
また、簡単にできる骨盤底筋トレーニングを「脳トレ、筋トレ、尿トレ」とジョークを交えて紹介され、参加者の皆さんで一緒にやってみました。骨盤底筋トレーニングは、尿もれを予防するように、下半身にぎゅっと力を入れて5秒から10秒、その状態でいる事。何処ででもできるので、尿トレをぜひ続けたいものです。
心の不調とは?うつ病に気づくために
ソーシャルワーカーであり、カウンセラーでもある、デボラひとみさんは、だれでもかかる可能性がある「心の風邪」、うつ病について罹ってしまった本人の立場から、また、サポートする周りの立場からどのように対処していくかについて詳しくお話しされました。うつのきっかけでもあるストレスの原因と上手な付き合い方なども教えていただきました。
また、うつになっても3/4の人は受診しないこと、老後のうつは受診しても認知症と誤診される場合があるなど、うつについての現状を詳しくお話しくださいました。
休憩を挟んでの2部では、専門家への質問とディスカッションに当てられました。各専門のブースにおいて、より詳しくお話を聞くチャンスと、参加者の皆さんは各々のブースを訪れていました。そのなか、70歳以上を対象としたパソコン教室の先生がカウンセラーに生徒さんのことを質問されており、生徒さん思いな様子が印象的でした。出展ブースは前述のプレゼンター、歯科衛生士、ナースプラクティショナー、カウンセラーの他、保険専門家、不動産専門家、霊園、喪失経験のある方の心のケアのHUG HAWAII、フォスターホーム、ナーシングホーム、デイケアなど。
みんなのケアネットワークでは、ハワイの日本語ネットワークがより拡大されるよう、今後も日本人のためのシニアフェアの開催が予定されています。
ボランティアやドネーションも随時受け付けています。
お問い合わせはminnanocare@gmail.com、または808-773-9234まで。
また、お年寄りからの質問や相談もお受けしています。老後を迎えられたご両親のことや、ご自分自身の将来についてなど、気がかりなことや困ったことがあったら、日本語でお気軽にお問い合わせください。