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2016/06/29 11:08 



多くの人が、自身が住んでいる土地に愛着を持ち、我が土地が住みやすくなるよう望んでいるのではないでしょうか。世界的な観光地、ハワイに住んでいる人も、それは同じ。「今は多くの旅行客が来てくれるけれど、50年後100年後はどうだろうか。ハワイの自然は残っているだろうか」。またそこに住む人の生活はと想いを馳せているのではないでしょうか。




そんな気持ちを形にしたプロジェクトがあります。『111-HAWAII PROJECT(ワン・ワン・ワン ハワイ プロジェクト)』。メイドインハワイの商品を統一ブランドとして商品開発販売を行い、売り上げの一部をハワイのために役立てるプロジェクト。ハワイ州観光局公認の旅行者が気軽に参加できる社会貢献活動です。

111とは、「観光客の“手”でハワイを元気に=1Hand」、「地元“愛”が地域の発展に=1 Heat」、そして「魅力ある“我が家”ハワイへ=1 Home」の3つの『1』。


発起人であるクニ山本さんは、「私の仕事であるデザインの力で、何か力になれないかと考えていました。ハワイは中小企業が多く、素晴らしいハワイ産の商品が埋もれています。芽が出る前に潰れてしまう企業もあります。そこでメイドインハワイという一つのブランドとして、地元の企業と一緒に商品開発をして、販売していくことで地域の活性化につながるのではないかと考えました。

またハワイの文化や自然を守るために、商品の売り上げの一部を、ハワイの環境や文化に力を入れているNPO団体に寄付する。この商品を買うことによって、観光客の方もハワイの社会貢献に参加できるという発想です」と語っています。

メイドインハワイ第一弾商品。ハワイ島産の希少なコーヒーだけを使用したアイス用コナコーヒー。

現在はアイス用100%コナコーヒー、ママキ・ハワイアン・ハーブティー、ウアココ・クリスプ(焼き菓子)、クラッシック・パイナップル・アロハシャツの4商品が、111-HAWAII PROJECTの商品として発売されています。どれも旅行者に人気で、生産が間に合わない商品もあるとか。

また商品としての参加だけでなく、旅行会社や地元メディアなども協力し、この活動を盛り上げています。

カラフルな虹色の焼き菓子、ウアココ。ピンクグアバ、ピーチオレンジ、イエローパイナップル、グリーンティー、ブルーココナッツ、ムラサキイモがセットになっている。

プロジェクト立ち上げから1年半。当初は予想していなかった効果も出てきました。「今年1月にワイキキでワークショップを開きました。協賛企業さんがアイデアを持ち寄って、イルカの生態学の講座やメイドインハワイのトークショーなど企画したところ、500人もの方に集まってもらえました。その際、『競合する大手旅行会社が共に協力し合う姿は、あまりないですよ』と周りから言ってもらえ、ありがたく思いました」とクニさん。

今年行われたワークショップ。大手旅行会社も協力し合うイベントとなった

最近は地域活性化プロジェクトのモデルケースとして、日本からも取材が増えています。観光業を学ぶ学生に講演する機会もできました。

ホノルル市と姉妹都市である茅ヶ崎市とハワイ産業交流活動を行った。右:発起人のクニ山本さん 左:茅ヶ崎市観光協会の高橋十大さん


「みなさん、ハワイのために何かしたいと考えています。小さな会社では出来ないことが111-HAWAII PROJECTなら、みんなが力を合わせてできる。それが嬉しいです。そして広い視野に立つとき、観光業に頼るハワイは危機感が必要です。この活動をハワイの自然や文化を守ることに繋げていきたいと思っています」。

日本でも参考にできるプロジェクトではないでしょうか。


111-HAWAII PROJECTの映像をご紹介します。映像を見てから商品を買うと、商品への思い入れも違ってきますね。



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